親知らずの抜歯、歯の移植

親知らずの抜歯

智歯(親知らず)の抜歯

智歯(親知らず)は、多くの症例で理想的な位置になく埋伏しています。このことにより、智歯周囲炎や、隣接歯のむし歯が発症するため、抜歯が必要になります。抜歯時には、粘膜切開や骨の削去、歯の分割などが必要な場合が多く、歯科医師に高度な技術力が要求されます。

症例1

術前:上下左右に4本の智歯が認められる。

術後:4本の智歯を抜歯した。

症例2

親知らず(智歯)を早期に抜歯しなかったことが原因で、隣の歯がムシ歯になってしまいました。
斜めに生えた親知らずを放置したため、間に食べカスがたまり、手前の歯までムシ歯になったのです。
このように、正しく生えていない親知らずを大切にしていると、手前の歯も巻き添えになるのです。
生えてから時間が経つと、親知らずの根がしっかりして、骨と固まってしまいます。同じ人でも、20歳代の前半に抜歯するのと30歳をこえて抜歯するのでは、
抜歯の難易度が上がるため、術後の腫れや痛みが違ってきます。
親知らずは、早めに抜歯することをお勧めします。今すぐ受診してください。

症例3

歯冠の一部は確認できるが、ほとんどが埋伏している。

智歯は水平に埋伏している。

歯肉を剥離し、歯冠を確認した。

智歯を3つに分割して抜歯した。

症例4

智歯は水平に埋伏している。

歯肉を剥離して、歯冠を確認した。

歯冠と歯根を切断し、歯冠を除去した。

歯根を二つに切断し、歯根を骨内から取り出した。

創を縫合した。

智歯を3つに分割して抜歯した。

歯の移植

歯の欠損部位に、抜歯した別の部位の歯を移植することを歯牙移植と言います。歯牙移植の長所は、歯根膜という顎の骨と歯をつなぐ組織も一緒に移植できることです。歯根膜(組織)の獲得により、歯の周囲へ栄養供給ができ、正しい噛み心地が得られます。

左下第2大臼歯はむし歯のため保存不能。その後ろに第3大臼歯(智歯)の歯冠が一部見えている。

歯肉を剥離し、智歯を確認した。

歯の移植のため、意図的に智歯を抜歯した。

智歯を抜歯した第2大臼歯の部位に移植し、第一大臼歯と連結固定。縫合して手術を終了した。

智歯を左下第2大臼歯のある部位へ移植した図

歯根嚢胞

歯根嚢胞とは、神経の治療(根管治療)後の歯の根尖部に形成される嚢胞(ふくろ)のことです。顎嚢胞のうちではもっとも発生頻度の高いものです。嚢胞には黄褐色の漿液や膿が認められ、歯肉の腫れが主訴です。

治療法として、小さな歯根嚢胞は根管処置で対処します。大きな歯根嚢胞は嚢胞摘出術および、歯根端切除術を行います。歯が保存不能な場合は、抜歯も行います。

右上中切歯の歯根部あたりに歯肉の腫脹が認められる。膿の臭いを主訴に来院した。

右上中切歯歯根嚢胞の術前X線写真。根尖の吸収を認めた。

右上中切歯の嚢胞摘出。歯根端切除後のX線写真。

摘出した歯根嚢胞と根管充填剤、切除した根尖。