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オール・オン・フォー

歯の喪失と、認知症

歯の喪失と、認知症

歯の喪失と、認知症やアルツハイマー病の発症との関連を調査したの研究が、Journal of the American Geriatrics Societyという科学論文に報告されました。アメリカの雑誌ですが、福岡県久山町の人たちの調査であり、2017年最新の報告になります (Takeuchi K, et al. J Am Geriatr Soc. 2017 May 65(5))。
論文によりますと、歯がグラグラで全部抜けそうになっているあなたの認知症の発症は、2.60倍の危険率で、アルツハイマー病発症の危険率も、2.66倍と報告されています (p < 0.001)。
これは大変です。あなたが5年後に認知症やアルツハイマー病になっている可能性は、歯が20本以上残っている人よりも、2.6倍も高いのです。なんとかして歯の数を増やし、認知症のリスクを減らしましょう。
オールオンフォー治療は、歯がグラグラのあなたに必要な治療かもしれません。

オール・オン・フォー

オール・オン・フォー

オール・オン・フォーは、4本のインプラントを埋入することにより、たった1日ですべての歯を回復させる、あなたのためのインプラント治療です。
歯がグラグラで、全部抜けそうになっている患者さまや、合わない総入れ歯でお困りの患者さまでも、1日で新しい固定式の歯(インプラントブリッジ)に交換でき、その日から審美性と噛む機能を回復させることができます。
オール・オン・フォー治療を開始して12年経過しますが、下関市では、今でも かねこ歯科インプラントクリニックだけが行っている難易度の高いインプラント治療ともいえます。
症例は100顎を超えており、各社のセミナーなどで12年間の治療経過を報告しております。

オール・オン・フォー専門ページ

使用するインプラントシステムと歯科医の技術について

歯列の後方に埋入するインプラントは傾斜埋入させます。傾斜インプラントの角度を補正するスクリュー固定アバットメントはノーベルバイオケア社とストローマン社、バイオメット3i社のみが発売しているため、いづれかのインプラント・システムを導入している歯科医院でないとオール・オン・フォーの手術は行えません。

使用するインプラントシステムと歯科医の技術について

また、オール・オン・フォーは4本のインプラントで即時荷重を行うため、口腔外科手術の技術があり、インプラント・システムにも精通したごく限られた歯科医にしか行うことができません。

使用するインプラントシステムと歯科医の技術について

さて、ITIトリートメントガイドというインプラント治療のガイドラインをまとめた書籍によると、上顎の無歯顎即時荷重インプラント治療には、6本以上のインプラントが推奨されています。

オール・オン・フォーは初めノーベルバイオケア社のインプラントを用いて行われていましたが、問題点が改良され、今ではストローマン社やバイオメット3i社のインプラントでも可能になっております。

スクリュー固定用アバットメントを使用したフルアーチ・インプラント治療の比較

※表は左右にスクロールして確認することができます。

ノーベルバイオケア社 ストローマン社 バイオメット3i社
フルアーチ治療の名称 All-on-4 Straumann Proarch Diem2
インプラントの表面性状 TiUnite表面(インプラント周囲炎の発症率が高く、晩期失敗が多い) SLActive表面(成功率が高い) T3 DCD表面(骨結合しにくく、早期失敗が多い)
スクリュー固定用アバットメント マルチユニット SRA (screw retain abutment)、他社と互換性がない LPA (low profile abutment) ノーベルバイオケア社と互換あり
本数 4本にこだわる 上顎6本〜、下顎4本〜 本数にこだわらない
即時荷重 必須 必須ではない 必須ではない

以前はノーベルバイオケア社のインプラントを使っていましたが、感染リスクが高いタイユナイト表面に即時荷重を必須とする治療プロトコルであったため、晩期失敗を一定の割合で認めました。
一方、ストローマン社のインプラントは長期成功率が高いことで定評がありますが、フルアーチ治療用の製品の発売が遅れていました。
2016年より、初期固定の良いテーパード・BLTインプラントと角度付きSRAアバットメントが発売されたことにより、ストローマン社の製品はノーベルバイオケア社を完全に凌駕しました。現在は、成功率が高いストローマン社の製品でフルアーチ即時荷重治療を行なっています。

オール・オン・フォー症例

症例1 オール・オン・フォー (インプラント4本) 60歳, 男性

主訴:「前歯がグラつく。奥歯もないので、インプラントにして欲しい。」

  • 症例1 オール・オン・フォー (インプラント4本) 60歳, 男性

    術前
  • 症例1 オール・オン・フォー (インプラント4本) 60歳, 男性

    術前(咬合面)
  • 症例1 オール・オン・フォー (インプラント4本) 60歳, 男性

    術前(パノラマX線)
  • 症例1 オール・オン・フォー (インプラント4本) 60歳, 男性

    2008年11月
    オール・オン・フォー手術
  • 症例1 オール・オン・フォー (インプラント4本) 60歳, 男性

    術中(咬合面)
  • 症例1 オール・オン・フォー (インプラント4本) 60歳, 男性

    術直後(パノラマX線)

予後不良な残存歯7本を抜歯し、ブローネマルク・インプラント4本を埋入した。
角度付きマルチユニット・アバットメントを連結し、即日テンポラリーブリッジを連結した。

  • 症例1 オール・オン・フォー(インプラント4本) 60歳, 男性

    術後11年
    特に問題なく経過している。
  • 症例1 オール・オン・フォー(インプラント4本) 60歳, 男性

  • 症例1 オール・オン・フォー(インプラント4本) 60歳, 男性

    術後11年(パノラマX線)
症例2 オール・オン・フォー (インプラント5本) 51歳 女性

主訴:「歯が外れて、グラグラしている。」

  • 術前(正面)

    術前(正面)
  • 術前(咬合面)

    術前(咬合面)
  • 術前(パノラマX線)

    術前(パノラマX線)
  • 2010年2月 オール・オン・フォー 手術当日

    2010年2月
    オール・オン・フォー 手術当日
  • 術中(咬合面)

    術中(咬合面)
  • 術直後(パノラマX線)

    術直後(パノラマX線)

予後不良な6本の歯を抜歯し、5本のインプラント(ブローネマルク、ノーベル・スピーディ、リプレイス・テーパード)を埋入した。
下顎に対合歯を認めるため、 左上顎結節にも埋入、右上7天然歯は抜歯せずに保存した。
マルチユニット・アバットメントを連結し、即日プロビジョナル・ブリッジを連結した。

  • 2011年5月 最終上部構造連結

    2011年5月 最終上部構造連結
  • 症例1 オール・オン・フォー(インプラント4本) 60歳, 男性

  • 症例1 オール・オン・フォー(インプラント4本) 60歳, 男性

  • 症例2 オール・オン・フォー (インプラント5本), 51歳, 女性「歯が外れて、グラグラしている。」

  • 症例2 オール・オン・フォー (インプラント5本), 51歳, 女性「歯が外れて、グラグラしている。」

  • 症例2 オール・オン・フォー (インプラント5本), 51歳, 女性「歯が外れて、グラグラしている。」

術後9年経過。硬質レジン人工歯の経時的な劣化は認めるが、機能的には問題なく、インプラントもなんら変化はない。保存した右上7にも問題はない。

症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本) 49歳, 女性

主訴:「入れ歯が合わない。歯も動いて抜けそう。」

  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本)  49歳, 女性

    2008年10月
    初診時
  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本)  49歳, 女性

    初診時(咬合面)
  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本)  49歳, 女性

    他医で作った
    合わない自費入れ歯
  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本)  49歳, 女性

他医での治療だが、40代の女性に取り外しの入れ歯を作ったのは疑問。予算が許せば、固定式の歯を作ってあげたい。

  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

    2008年12月
    オール・オン・フォー 手術当日
  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

    術中(咬合面)
  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

予後不良な2本の前歯を抜歯し、4本のブローネマルク・インプラント、上顎結節にリプレイス・テーパード・インプラント2本を埋入した。
前方4本のインプラントにマルチユニット・アバットメントを連結し、即日プロビジョナル・ブリッジを連結した。
上顎結節のインプラントはインテグレーションまで待時した。

  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

    2011年6月 最終上部構造連結
  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

  • 症例3 オール・オン・フォー (インプラント6本), 49歳, 女性

術後11年経過。硬質レジン人工歯の経時的な劣化は認めるが、機能的には問題なく、インプラントもなんら変化はない。

症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

主訴:「入れ歯が合わないのでインプラントにしたい。」

  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

    右上5部
  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

    右上2部
  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

    正中
  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

    左上2部
  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

    左上5部
  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

    2015年9月
    オール・オン
    ・フォー手術当日

CT撮影でシミュレーションを行うと、骨幅は薄く、ナローサイズ(直径3.3mm)のインプラントでもフェネストレーション(骨からインプラントがはみ出してしまうこと)の可能性があった。このため、骨幅がある正中の切歯管にも埋入を行い、All-on-7とした。フィクスチャーは、当時発売されたばかりのストローマン・ボーンレベルテーパード・インプラントを使用した。ストローマン社のインプラントは、成功率の高さに定評があり、幸いにも1本の脱落もなかった。

  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

  • 症例4 オール・オン・フォー (インプラント7本) 56歳, 女性

術後4年経過。インプラントには、特に問題ない。

症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

主訴:「入れ歯が合わないのでインプラントにしたい。」

  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

    2012年
    3月初診時
  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

    初診時(咬合面)
  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

    埋入シミュレーション

ストローマン・ボーンレベル・インプラントの国内発売前に、インプラントをスイスから直輸入してオール・オン・フォーを行った症例。

  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

    2012年4月
    オール・オン・フォー 手術当日
  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

    術中(咬合面)
  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

当時、フルアーチ即時荷重治療は、ノーベルバイオケア社のフィクスチャーを用いて行うことが原則であったが、ストローマン社のフィクスチャーで手術を行っても問題なく、むしろ予後は良好であった。
術後7年経過している。定評の良いストローマンSLA表面のおかげで、予後はノーベルのTiUnite表面より安定していると実感している。

  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

  • 症例5 オール・オン・フォー (インプラント8本) 58歳, 女性

2017年7月
術後7年経過。インプラントには、変化はない。下顎にも ストローマン社のボーンレベル・インプラントを用いて All-on-4を行い、6年経過している。

費用について
即日フルアーチ治療(インプラント6本まで) 1,925,000円(税込)
最終上部構造(半年程度経過後) 935,000〜1,650,000円(税込)

インプラント治療(オールオンフォー治療)は自費診療であり、保険適応外です。
患者さんの全身状態や顎の状態からあらかじめ診断が必要であり、即日治療ができないこともあります。
喫煙者は失敗リスクが高まり、長期的にインプラントには不都合が生じます。禁煙を前提に行う治療です。
完全には元どおりにはなりません。噛み合わせの微妙な感覚、舌触り、発音などは改善されないことがあります。
解剖学的に危険な場所では、下歯槽神経麻痺、上顎洞や骨外へドリルやインプラントの穿孔のリスクがあります。
仮歯の長期使用(半年以上)により、インプラント周囲炎が発生し、インプラントが脱落することがあります。
治療終了後は、2ヶ月に1回程度上部構造を外して掃除する必要があります。
毎回2,200円(税込)〜の再診料が別途必要です。

インプラントの本数と科学的検証

上顎フルアーチのインプラント本数と荷重時期

※表は左右にスクロールして確認することができます。

上顎 本数と検証の解説 本数と検証の解説 本数と検証の解説 本数と検証の解説
インプラントの数と配置 4 6 1+4+1 2+4+2
補綴物 カンチレバー付き
ワンピース
カンチレバー付き
ワンピース
ワンピース 4ユニット
通常荷重
2ヶ月<
臨床的に検証された 科学的にも臨床的にも完全に実証された
早期荷重
<2ヶ月
検証が不十分 臨床的に検証された
即時荷重
<1週間
臨床的に十分に検証された

上顎フルアーチ即時荷重インプラント治療における埋入本数と科学的臨床的な検証 (ITI treatment guide vol.4 p78)

本数と検証の解説

鼻腔底にフィクスチャー4本の先端を接触させて初期固定を得るAll-on-4の術式

本数と検証の解説

臨床的に十分に検証されている6本埋入のフルアーチ・インプラント治療

上顎無歯顎インプラント治療の埋入本数と科学的臨床的な検証についての考察が、ITI treatment guide vol.4に記載されている。
4本、6本、8本のインプラント数のうち、「科学的にも臨床的にも完全に実証された術式」は、6本または8本のインプラントで通常荷重(2ヶ月以上待時)を行う場合である。
All-on-4は、4本のインプラントで即時荷重を行う術式であるが、ITI treatment guideによると、「検証が不十分」な術式に位置付けられる。
All-on-4の術者は、たった4本のインプラントで即時荷重を成功させるため、鼻腔底の骨にフィクスチャーの先端を食い込ませて初期固定を得る。この術式には、高度な技術が必要と言える。
4本しか埋入できない残存骨の場合は、この術式を取らざるを得ない。しかし、4本以外に、あと2本埋入できる骨が残っている場合は、6本で即時荷重を行う方が、「臨床的に十分に検証された術式」になり、確実性が増す。鼻腔底に埋入するのための大きなフラップ展開も避けられるため侵襲も少なくなり、6本埋入は患者にも優しい術式と考える。

下顎フルアーチのインプラント本数と荷重時期

※表は左右にスクロールして確認することができます。

下顎 本数と検証の解説 本数と検証の解説 本数と検証の解説 本数と検証の解説
インプラントの数と配置 4 6 1+4+1 1+4+1
補綴物 カンチレバー付き
ワンピース
カンチレバー付き
ワンピース
ワンピース 3ユニット
通常荷重
2ヶ月<
臨床的に十分に検証された 科学的にも臨床的にも完全に実証された
早期荷重
<2ヶ月
臨床的に検証された
即時荷重
<1週間
臨床的に検証された 臨床的に十分に検証された

下顎フルアーチ即時荷重インプラント治療における埋入本数と科学的臨床的な検証 (ITI treatment guide vol.4 p83)

本数と検証の解説

オトガイ孔前方の骨に傾斜埋入させて初期固定を得る下顎All-on-4の術式

本数と検証の解説

臨床的に十分に検証されている6本埋入のフルアーチ・インプラント治療

本数と検証の解説

下顎オール・オン・フォー手術では、オトガイ神経の剖出が行われるが、手術の難易度は高い。

下顎無歯顎インプラント治療の埋入本数と科学的臨床的な検証についての考察が、ITI treatment guide vol.4に記載されている。
4本、6本のインプラント数のうち、「科学的にも臨床的にも完全に実証された術式」は、6本のインプラントで通常荷重(2ヶ月以上待時)を行う場合である。

下顎のAll-on-4は、4本のインプラントで即時荷重を行う術式であるが、ITI treatment guideによると、「臨床的に検証された」術式に位置付けられる。
All-on-4の術者は、4本のインプラントで即時荷重を成功させるため、オトガイ孔の前方骨に長いフィクスチャーを傾斜埋入させ初期固定を得る。オトガイ孔を剖出するこの術式には、高度な技術が必要と言える。

4本しか埋入できない残存骨の場合は、臼歯部までバランスよく荷重を分散できるこの術式は効果的である。しかし、4本以外に、あと2本埋入できる骨が残っている場合は、6本で即時荷重を行う方が、「臨床的に十分に検証された術式」になり、確実性が増す。オトガイ孔の剖出や、煩雑な角度付きアバットメントの連結も避けることができ、6本埋入はリスクが少ない術式と考える。

オール・オン・フォーのタイムスケジュール

オール・オン・フォーのタイムスケジュール