インプラントの安定度を最新機器を用いて測定することにより、科学的なインプラント治療が行えます。

インプラント用の歯ブラシの選び方

a)インプラント手術直後の歯ブラシ

【口腔外科手術後の専用歯ブラシ】

【インプラント手術直後】

インプラント手術のあとには、歯ぐきが傷つかないようにしないといけません。

口腔外科手術後は、写真のようなドーム状で、軟らかい毛先の歯ブラシで優しく磨くとよいでしょう。

専用の歯ブラシを紹介いたします。

手術後、歯ぐきの早期治癒まで約2週間かかります。この間にうがいをしすぎたり、強い歯ブラシをしたりすると、血餅が外れて手術創が裂開しやすくなり、治癒が遅延するので注意が必要です。

術後2週間程度で抜糸します。抜歯まで、手術部位の歯ブラシを止めるか、この歯ブラシで軽く磨く程度にします。

b)インプラント・メンテナンス時の歯ブラシ

インプラント治療が終了して、メンテナンスに移行したときに使用する歯ブラシについてです。

毛先はラウンド形状のものを選びます。テーパード形状を選ばないほうがいいと思います。インプラントと歯ぐきの境界は、天然歯と比較すると脆弱なので、テーパード植毛は境界を傷つける恐れがあるからです。

歯ブラシの持ち方

グーでにぎるのではなく、鉛筆握りの方が力の加減がしやすく、細かいところまで磨けると思います。

インプラント・レベルの上部構造(人工歯)の磨き方

インプラントのパーツは、骨内に埋め込まれるフィクスチャーと上部構造に大別されます。

上部構造は、(a)インプラント・レベルの上部構造と(b)アバットメント・レベルの上部構造という2つの上部構造に大別されます。

※クラウン(人工の歯冠)…歯の部分です。
※アバットメント…フィクスチャーの上に設置する軸の部分です。
クラウンとアバットメントを合わせて上部構造と呼びます。
※フィクスチャー…形成した穴に埋入する人工歯根です。

a)インプラント・レベルの上部構造の磨き方

インプラント上部構造は、インプラント・レベルとアバットメント・レベルの上部構造の2つに大別されます。

まず、インプラントレベルの上部構造の磨き方について説明します。

インプラント・レベルの上部構造とは、インプラントの骨内部分に当たるフィクスチャーに、セメント固定用のアバットメントを連結して、その上にクラウンをセメント固定したものです。天然歯のクラウンに近いため、広く行れている上部構造といえます。

(※インプラント・レベルのセメント固定式上部構造その1)

また、スクリュー固定の上部構造を、インプラントに直接連結したインプラントレベルの上部構造もあります。

(※インプラント・レベルのスクリュー固定式上部構造その2)

※イラストの出典「オール・オン・フォー進化したインプラント治療」(金子茂 著/ 現代書林)

インプラントレベルの上部構造の磨き方は、ローリング法やスクラビング法を行います。強すぎる力では磨きすぎないように注意します。

ローリング法

歯茎から歯の方へ(上の歯は上から下へ、下の歯は下から上へ) 歯ブラシを歯ぐきにあて、歯ブラシを半回転させて歯垢をかき出すように磨きます。
ローリング法では、歯ぐきを歯根側に抑えないため、歯肉の退縮や歯槽骨の吸収が防げます。

スクラッビング法

毛先を歯の表面に垂直に当て、非常に細かく前後に振動させて磨きます。
力を入れすぎたり、歯ぐき側に毛先が向くと歯ぐきを傷つけるので注意しましょう。

インプラントの歯は、バス法では磨かないようにして下さい。歯ブラシの毛先を歯肉に差し込んで磨くバス法を行うと、歯ぐきが退縮してしまいます。審美クラウンを被せた前歯もバス法を避けてください。バス法は、歯周病の患者さんが磨く方法です。

インプラントの歯は、自分の歯と違い虫歯にはなりません。しかし、歯周病細菌がお口の中にいると、インプラントの歯周病(インプラント周囲炎)になることがあります。油断せずに、ブラッシングを励行してください。

インプラントにはセラミックや貴金属の人工歯が装着されていると思います。高価な歯科材料は、生体親和性がよく、細菌も付着しにくいので、優しい力で磨けばプラークは除去できます。力をいれて磨く必要はありません。

b)アバットメント・レベルの上部構造のメンテナンス

インプラント上部構造は、インプラント・レベルとアバットメント・レベルの上部構造の2つに大別されます。
次に、アバットメント・レベルの上部構造の磨き方について説明します。

※オールオンフォー

(アバットメント・レベルの上部構造。複数のインプラントの埋め込み角度を、マルチユニット/ マルチベース・アバットメントで補正する。オールオンフォーが、代表的なマルチユニット/ マルチベース・アバットメントを用いたインプラント治療法です。)

直線上にない複数のインプラントを連結させるフルアーチ症例の場合は、アバットメント・レベルの上部構造になります。

二次元に広がる地面に電信柱を埋め込むのとは異なり、直線上に並ばない3本以上のインプラントを、複雑な形状をした顎骨に埋め込む場合、それらを平行に埋入することは不可能です。そのため、マルチユニット/マルチベース・アバットメントを連結して、インプラントの埋め込み角度を補正しなければ、上部構造を作れません。

また、メンテナンス可能な、歯科医が取り外し可能な上部構造としなければ、患者の長い生涯にわたりインプラントが機能し続けるとは考えにくいといえます。このため、フルアーチのインプラント症例は、セメント固定式ではなく、スクリュー固定の上部構造になっているのです。

( フルアーチの症例は、マルチユニット/ マルチベース・アバットメントでインプラントの埋め込み角度を補正する。歯科医がメンテナンス時に取り外し可能な、スクリュー固定上部構造としなければならない。)

ご自分でする歯ブラシは、インプラント・レベルと同様でかまいません。

しかし、歯科医院でメンテナンスを行うときは、インプラント・レベルと異なり、上部構造を一旦外して掃除を行います。上部構造を撤去し、超音波洗浄 器にかけてミクロの汚れまで落とします。上部構造を撤去することで、アバットメントは歯科医の視野に入ります。アバットメント周囲の洗浄を行い、薬剤を塗 布して細菌が増殖しないようにします。

プロの清掃と点検により、インプラントの寿命が延びます。歯科医師の指示を守り、継続して必ず通院するようにしてください。
当クリニックでは、インプラント・レベルの上部構造を装着した患者さんは、年2~3回のメンテナンス通院を指導しています。また、アバットメントレベルの上部構造を装着した患者さんは、1~2ヶ月おきの通院を指導しています。

補助清掃器具や洗口剤

お口の中をきれいにするには、複数の清掃器具が必要です。

歯ブラシ1本だけでは、いくら丁寧に時間をかけて歯を磨いても、歯の汚れ(プラーク)は6~7割くらいしかとれません。歯ブラシ1本では、「磨けたと思っても、本当は磨けていない」のです。

プラーク除去を100% に近づけるため、(a)ワンタフト歯ブラシ、(b)歯間ブラシ、(c)デンタルフロス、(d)電動歯ブラシ、(e)ウオーターピックなどを併用することをおすすめします。

(a)ワンタフト歯ブラシ

(毛の軟らかいインプラント用のワンタクト歯ブラシ)

歯並びの悪いところや、最後臼歯の裏、歯の間などが磨きやすいブラシです。歯ブラシをたてて磨くよりも、ワンタフト歯ブラシで磨いたほうが、清掃効率は高くなると思います。

(b)歯間ブラシ

歯ブラシと歯間ブラシを併用する事で、ほとんどの汚れが除去できます。

(ワイヤーコーティング加工されたインプラント用の歯間ブラシ)

歯間ブラシには、大きく分けて2つの種類があります。まっすぐのものとL時型に曲がっているものです。奥歯の操作を優先したいので、L時型のものをお勧めします。まっすぐのものは、奥歯に入れる時にワイヤーを曲げる必要があります。歯ぐきの中で折れてしまうとこまるからです。

先のサイズは、一番小さいSSSやSSを使ってください。無理に押し込んで、傷がつくのを防ぐため、小さなサイズを使うのです。ただし、歯周病がひどく、歯と歯の隙間の大きい方は、大きなサイズでもかまいません。

インプラントの歯には、ワイヤーにコーティング加工している歯間ブラシをお使いください。コーティングされていない歯間ブラシを使うとインプラントに傷がつくからです。チタンは軟らかい金属なので、金属むき出しのワイヤーでは、表面が傷がついてしまいます。

(c)デンタルフロス

歯と歯の隙間が小さいときに、無理に歯間ブラシを挿入すると逆効果です。しかし、デンタルフロスだと、小さな隙間にも入ります。

種類は、柄がついているものと、糸だけのものがあります。慣れれば糸だけのものが使いやすくなりますが、はじめは柄が付いているものでもいいと思います。

柄が付いているデンタルフロスには、F型のものとY型のものがありますが、奥歯で使いやすいY型を選びます。慣れれば、糸だけのフロスも上手に使えるようになります。

デンタルフロスを30cmくらいの長さに切り、両手の中指に巻き付けます。人差し指と親指で糸をはさんで、中指の間が1~2cmくらいになるように長さを調節します(写真中は、見やすいようにフロスを長くしています。指と指の間にフロスがあるため、フロスは見えにくくなって撮影しにくいからです。

少し動かしながら歯と歯の間にデンタルフロスを挿入します。歯どうしの接触点を通過して歯ぐきに近くなったら、そこで止めます。取り出す方向にむかってプラークをかき出しながら、フロスを間から取り出します。

(上図:柄付デンタルフロス)

(上図:柄付デンタルフロス)

(上図:見やすいように長めにしています)

(上図:見やすいように長めにしています)

(上図:デンタルフロスの長さの目安)

(上図:デンタルフロスの長さの目安)

(上図:デンタルフロスのつまみ方)

(上図:デンタルフロスのつまみ方)

(d)電動歯ブラシ

電動歯ブラシは、2~3年おきにフルモデルチェンジしています。最近の電動歯ブラシの性能は非常に良くなっています。電動歯ブラシを買うだけで、プロの歯科従事者と普通の人の差は全くなくなります。お金はかかりますが、こんなに簡単に技術を習得できる方法は他にありません。

電動歯ブラシの価格は、1万5千円くらいのものをおすすめします。
安価なものでは効果が少ないと思います。

だだし、電動歯ブラシだけでは完全ではありません。歯間ブラシなどを併用しないと完全に汚れは落ちないのです。

電動歯ブラシの欠点は故障しやすいところです。当クリニックでも、購入した製品が数ヶ月で故障したので、メーカーに戻して無料で修理してもらいました。買ったときの保証書をとっておくか、歯科医院から故障をメーカーに伝えれば、修理を受け入れてもらいやすいと思います。

電動歯ブラシには、音波ブラシ、超音波ブラシ、ブラシが回転する製品の3種類があります。「音波ブラシ」よりも「超音波ブラシ」の方が、「超」が付いているので効果がありそうですが、「音波ブラシ」の方をおすすめします。

「音波ブラシ」は、ブラシが振動して歯垢を十分除去してくれます。
一方、「超音波ブラシ」は振動が少なく、歯垢がそれほどとれません。超音波はポケット深くの細菌を殺菌する効果はありますので、重度の歯周病の方には「超音波ブラシ」が向いているのかもしれません。しかし、インプラントには、「音波ブラシ」の方が、適応範囲が広いと思います。

また、ブラシがクルクル回転する製品もあると思います。このタイプは音波ブラシや超音波ブラシでないので、(疑似)キャビテーション効果(※)が期待できないのと、こすられた歯ぐきが硬くなることがあるので、「音波ブラシ」の方をすすめています。

電動歯ブラシは、毛先が振動して汚れをとってくれるので、電動歯ブラシ自体を自分で動かし続ける必要はありません。磨き終えたら、歯からいったんはずして、別のところに軽く当てるだけです。

※キャビテーションとは、ブラシから微小な泡が破裂して細菌の繊毛を破壊することです。

(e)ウオーターピック

(上図:据え置きタイプ)

(上図:ポータブルタイプ)

ジェット水流洗浄器(ウオーターピック)を用いれば、歯ぐきの奥までを簡単に洗浄できます。

とくに、重度の歯周病になっている方や、矯正装置をつけている方、多くの歯をインプラントに交換したフルアーチのインプラント患者さんに適します。

インプラント周囲炎の原因になる歯周病菌は歯ぐきとアバットメントの境界の奥にいますので、それを効果的に洗い落とせるのです。

据え置きタイプ(画像:左)だけでなく、移動も可能なポータブルタイプ(画像:右)も販売されています。

ポータブルタイプは、どこにも持って行けるので、旅行や出張、職場用に向いています。しかし、ポータブルタイプは、大きく傾けると水がもれやすく、水圧の調整がきかないため、ふだんは据え置きタイプの使用をおすすめします。

(f)洗口剤

仕上げは、コップ1/8~1/4に、コンクールF(うがい薬、左写真)を5~10滴を入れて、かき混ぜ、1日数回洗口してください。虫歯や歯周病予防ができて、後味もスッキリ、口臭予防の効果もあります。

ただし、抜歯やインプラントの手術直後には使用しないでください。刺激が強すぎることがあるためです。手術1~2週後、糸をとってから使用できます。

今すぐ予約してください。 24時間WEB予約が可能です。

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